「塩分が多いから体に悪いのかも」という印象のあるみそ汁。しかし、広島大学名誉教授の渡邉敦光医師は2017年7月、アメリカの高血圧学会誌に「味噌のなかの塩分はNaCl(塩化ナトリウム)とは異なる」という研究論文を発表した。
実験でラットに塩分の多い餌を食べさせるとすぐに脳卒中を起こして死亡するが、同じ塩分を含む味噌を加えた餌では脳卒中の発生が遅れ、〈味噌を食べても血圧には影響しないし、脳卒中も遅延する〉と結論づけた。
自律神経研究の第一人者である順天堂大学医学部の小林弘幸教授は6月に『医者が考案した「長生きみそ汁」』を上梓。そこでは、味噌の種類まで含めた具体的な推奨レシピを挙げている。味噌といえば東日本なら赤味噌、西日本なら白味噌を用いることが多いとされるが、それぞれ健康に期待できる効果は異なる。
「赤味噌には抗酸化力を高めるメラノイジンが豊富で、白味噌にはストレス抑制効果のあるGABAが含まれています。私は“合わせ味噌”にしてどちらも摂るのが望ましいと考えます。分量は10杯分でそれぞれ80グラムずつが適当です」(小林氏)
それに“ある物”を足すことで“長生きみそ汁”は完成するという。