「愛情ホルモン」などと呼ばれるオキシトシン。シンガーソングライターで小説家でもある、さだまさし氏のことを“オキシトシン過剰症候群”と「診断」したのは、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師だ。一体どんな症状なのだろうか。
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さだまさしは“オキシトシン過剰症候群”だ。人に親しみを感じ、人を信頼することに関係するオキシトシンは、「愛情ホルモン」「絆ホルモン」などと呼ばれ、注目されている。
彼には、全国各地にゴルフ仲間や飲み友だちがいる。コンサートなどで訪ねると、その夜は遅くまでワイワイ盛り上がる。お酒も好きだが、人が好きなのだ。
初対面でもすぐに親しくなる。人が困っていると聞けば、何かをしてあげたくなって、いてもたってもいられなくなる。これらの症状は、リッパな“オキシトシン過剰症候群”によるものだ。
と、そんな内容のことを、先月発売された『うらさだ』(さだまさしとゆかいな仲間たち・小学館)という本に書いた。笑福亭鶴瓶や立川談春、泉谷しげる、小林幸子……といった人たちがさだまさしをまな板に載せて、好き勝手言っている面白い本だ。
もちろん、“オキシトシン過剰症候群”なんて病名はない。ぼくの創作だ。でも、オキシトシン的振る舞いの多いさだまさしは、年々その症状が目立つから“進行性の病気”といっても過言ではないだろう。そして、ついにはオキシトシンを増幅する仕掛けまでを作ってしまった。公益財団法人「風に立つライオン基金」という仕掛けである。