国内

水道事業民営化 外資に売却で「高価な水」買わされる危険性

「安全な水」が奪われる(共同通信社)

 政治家たちは「国民の生命と財産を守るのがわれわれの責務だ」と口を揃える。だが、その意味をどこまでわかっているのだろうか。

 いま、この国では国民が代々受け継いできた“財産”が次々と外国に売り払われている。近著『日本が売られる』(幻冬舎新書)で日本の現実をあぶり出し話題を呼ぶ国際ジャーナリスト・堤未果氏が語る。

「政治家はどうすれば国民の生命財産を守ることができるかを100年単位で見通して判断しなければならない。しかし、今の日本の政治は、木材価格が高いから森林を伐採しよう、財政が厳しいから水道を売って金にしよう、人手不足だから外国人労働者を受け入れよう、と目先のことだけで法改正してしまう。その結果、制度に欠陥が生まれ、外国人や外国資本の餌食になって国益を損なっている」

 どんな流れの中で国益を叩き売りする法律が誕生しているのか。

 衆院予算委員会の与野党攻防が始まる前日の10月30日、1つのニュースが永田町を駆け巡った。菅義偉・官房長官の“片腕”と呼ばれた福田隆之・大臣補佐官が「退任を申し出た」と産経新聞が速報したのだ。

 一般国民への知名度は低いが、福田氏は大手監査法人から2016年に菅氏の補佐官に起用され、安倍政権が日本経済再生戦略の柱に掲げる公営事業民営化(PFI)を担当してきた人物である。

 なぜ、この人事が注目されるのか。その背景を探ると、「日本売り」に走るこの国の政治家たちの奇妙な行動が浮かび上がってくる。発端は第2次安倍政権の発足から間もない2013年4月、世界銀行総会出席のために訪米した麻生太郎・副総理による、米国のシンクタンクでの講演だった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《離婚後も“石橋姓”名乗る鈴木保奈美の沈黙》セクハラ騒動の石橋貴明と“スープも冷めない距離”で生活する元夫婦の関係「何とかなるさっていう人でいたい」
NEWSポストセブン
原監督も心配する中居正広(写真は2021年)
「落ち着くことはないでしょ」中居正広氏の実兄が現在の心境を吐露「全く連絡取っていない」「そっとしておくのも優しさ」
NEWSポストセブン
休養を発表した中居正広
【独自】「ありえないよ…」中居正広氏の実兄が激白した“性暴力認定”への思い「母親が電話しても連絡が返ってこない」
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
〈山口組分裂抗争終結〉「体調が悪かろうが這ってでも来い」直参組長への“異例の招集状” 司忍組長を悩ます「七代目体制」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(時事通信フォト)
「うなぎパイ渡せた!」悠仁さまに筑波大の学生らが“地元銘菓を渡すブーム”…実際に手渡された食品はどうなる
NEWSポストセブン
新年度も順調に仕事を増やし続けている森香澄
《各方面から引っ張りだこ》森香澄、“あざとかわいい”だけじゃない「実はすごいアナウンス力」、「SNSの使い方はピカイチ」
NEWSポストセブン
4月7日、天皇皇后両陛下は硫黄島へと出発された(撮影/JMPA)
雅子さま、大阪・沖縄・広島・長崎・モンゴルへのご公務で多忙な日々が続く 重大な懸念事項は、硫黄島訪問の強行日程の影響
女性セブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(左/時事通信フォト)
広末涼子の父親「話すことはありません…」 ふるさと・高知の地元住民からも落胆の声「朝ドラ『あんぱん』に水を差された」
NEWSポストセブン
SNSで出回る“セルフレジに硬貨を大量投入”動画(写真/イメージマート)
《コンビニ・イオン・スシローなどで撮影》セルフレジに“硬貨を大量投入”動画がSNSで出回る 悪ふざけなら「偽計業務妨害罪に該当する可能性がある」と弁護士が指摘 
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、入学式で隣にいた新入生は筑附の同級生 少なくとも2人のクラスメートが筑波大学に進学、信頼できるご学友とともに充実した大学生活へ
女性セブン
都内にある広末涼子容疑者の自宅に、静岡県警の家宅捜査が入った
《ガサ入れでミカン箱大の押収品》広末涼子の同乗マネが重傷で捜索令状は「危険運転致傷」容疑…「懲役12年以下」の重い罰則も 広末は事故前に“多くの処方薬を服用”と発信
NEWSポストセブン
人気のお花見スポット・代々木公園で花見客を困らせる出来事が…(左/時事通信フォト)
《代々木公園花見“トイレ男女比問題”》「男性だけずるい」「40分近くも待たされました…」と女性客から怒りの声 運営事務所は「男性は立小便をされてしまう等の課題」
NEWSポストセブン