10月29日、厚生労働省は、沖縄と三重がインフルエンザの流行期に入ったと発表した。全国の保育所、幼稚園、小学校などの休業施設数はいずれも前週より増加し、早くも大流行の兆しがみられる。
そうしたなかで注目を集めているのが、今年3月に発売された新薬「ゾフルーザ」だ。
昨シーズンの終盤に販売開始されたゾフルーザは、発売からわずか2週間で40万人に処方された。本格的な流行シーズンを通して処方されるのは、今回が初めてとなる。
では、実際に服用する注意点はどのようなものがあるのだろうか。池袋大谷クリニック院長の大谷義夫氏は「発症後48時間」がカギという。
「ウイルスの増殖は、発症から48時間後にピークを迎えます。それ以降に薬を服用しても効果が薄くなるので、発熱や筋肉痛などの症状が出たら受診して、48時間以内にゾフルーザを飲むことがポイントです。ただし、発症して6~12時間は検査しても陽性と出ない場合があるので注意が必要です」
また、薬である以上は当然、副作用もある。
「臨床試験の結果、下痢と肝機能低下、目まいなどの副作用が認められました。うち1%以上の頻度が報告されたのは、下痢でした」(ゾフルーザの製造販売元である塩野義製薬広報部)
タミフルの場合、過去に服用した子供がベランダから転落するなどの「異常行動」が問題となった。
「ゾフルーザの医薬品添付文書にも、重大な副作用として『異常行動』が掲載されていますが、これまでの臨床試験で実際に発生したわけではありません。類薬すべてで異常行動が発生しており、医療機関を通して患者に注意喚起を行なっています」(同前)