江戸っ子も珍重し、競って食べた季節の恵み──新そばの季節がやってきた。口に入れたときに広がる香りは、食欲の秋の醍醐味と言える。ここでは、東京で新そばが味わえる自家製粉の店を紹介しよう。
●『玉笑』(明治神宮前)
閑静な住宅街に佇むミシュラン一つ星店。黒い殻の粒が存在感を放つそばをすすると、野趣あふれる風味が口の中にふわりと広がる。もちもち、ざらざらとした食感も楽しい「粗挽きせいろ」で使うのは、“そばの実の最高峰”と呼ばれる茨城県常陸太田市産の「常陸秋そば」がメイン。同市水府地区の契約農家7~8軒から仕入れる玄そば(殻付きのそばの実)は、手刈り天日干しで香り高く、日々、店で石臼で挽いて製粉する。
「秋の新そばはもちろん、収穫から1年後の熟成したそばも力強い香りで美味しい」(店主・浦川雅弘氏)
これに、栃木県で自家栽培しているそばの実を1割程度ブレンドし、絶妙な風味に仕上げている。12月中旬から茨城県常陸太田市産、栃木県産の秋の新そばを提供予定。
・住所:東京都渋谷区神宮前5-23-3
・営業時間:火~金11時半~14時半(L.O.)、18時半~20時半(L.O.)/土11時半~15時半(L.O.)、18時~19時半(L.O.)/日・祝11時半~16時半(L.O.)※売り切れ次第終了
・定休日:月曜日(日曜日・祝日が休みの場合もある)※臨時休業あり