芸能

熱狂的ファン集めるラジオの底力、広告費増とネットの貢献

熱狂的ファン集めるラジオ(撮影/武美静香)

 10月28日、神奈川・横浜アリーナで開催されたライブイベント『岡村隆史のオールナイトニッポン歌謡祭in横浜アリーナ2018』。

 DA PUMP、三浦大知(31才)、ロバートの秋山竜次(40才)、錦野旦(69才)ら豪華ゲストに交じって、ステージ上で自作曲を熱唱したのは、ナインティナイン・岡村隆史(48才)の高校時代の同級生・ワシオさんだった。

 まったく無名の一般人だが、詰めかけた1万2500人の来場者は熱烈にワシオさんを歓迎した。なぜなら、彼は岡村のラジオ番組で頻繁に名前が出る“有名人”だからだ。

 このイベントは、『岡村隆史のオールナイトニッポン(ANN)』(ニッポン放送)の放送4周年を祝うもの。これまでも毎年開催されており、初回の8000人から動員数は右肩上がりで増えている。

 横浜アリーナに集結したリスナーたちは、ワシオさんをはじめ、ラジオにゆかりのあるゲストが登場するたびに大きな歓声を上げ、場内は終始温かいムードに包まれた。これぞ、ラジオが持つ底力だった。

 凋落が止まらないといわれて久しいラジオだが、そこに新しい楽しさを見出す人は着実に増えている。

◆どこでも聞ける

 日本に民間放送局が誕生したのは1951年。テレビが本格的に登場する前、家族は一家に1台あるラジオにかじりついて放送を聞いていた。

 1959年の皇太子ご成婚を境に、ポータブルラジオが爆発的に普及。ラジオは家族から個人で楽しむツールに変化し、その後、1964年の東京五輪を機にメディアの主役の座をテレビに奪われた。近年はインターネットなどの普及でさらに聴取率が低下する。

 一方で、電通の統計(2017年)によると、主要メディアである新聞、雑誌、テレビの広告費が軒並み減少する中、ラジオの広告費だけはわずかながらプラス成長している。

「今は10代の人がよくラジオを聞いています。ラジオが復権しつつあるのは、『ラジコ』のおかげです」

 と語るのは、ライターで構成作家のやきそばかおるさん。

「ラジコ」とはインターネット回線を通じ、AM、FMを問わず地上波のラジオ放送を配信するサービスで、2010年に始まった。2014年には全国のラジオ放送が聴取できる「エリアフリー機能」が加わった。

「スマートフォンさえあれば、どこでもラジオが聞ける時代になり、月350円で全国のラジオ番組が聞けるラジコのプレミアム会員は50万人を超えます。メインユーザーは40~50代ですが、ラジオの受信機を持っていなくても、“テレビより面白い”とスマホでラジオを聞く10代も増えています」(やきそばかおるさん)

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン