カメルーン生まれ兵庫県姫路育ち、現在34歳の星野ルネさん(タレント、漫画家)。その生い立ちや日常を、自らユーモアたっぷりに描いたコミックエッセイが注目されている。タイトルはずばり、『アフリカ少年が日本で育った結果』。4歳を前に来日したルネ少年は日本でどんな大人になったのだろうか。
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自分にとっては単なる日常が、普通に日本で育った日本人にとってはインプレッシブ(印象的)な出来事であることに気づいたのは、地元・姫路の飲食店で働いていた25歳のときです。
接客の一環で、店のお客さんに僕が日本で育つ中で体験したエピソードをよく話していました。
たとえば子供の頃、公園で見知らぬ子たちから「お! アメリカ人やん」「英語しゃべってみて!」とリクエストされ、「アメリカ人じゃなくてアフリカ人」「使う言葉は英語じゃなくてフランス語」と返したらポカンとされたこと。大人になってから、友達が働く日焼けサロンに遊びに行ったら、「お、おにいちゃんはもう焼かんでもエエやろ!」とツッコまれたりした話などです。
そんな話を聞いたお客さんはみんな大笑いしたり、考えさせられると言ってくれたり、とにかく反応が良く、「もっと広い世界に発信したほうがいい」と言われました。「東京行けば?」「いつ行くの?」と言われているうちにだんだんその気になり、「1回チャレンジしてもいいかな」と思うようになったんです。
上京し、発信の手段として考えたのはテレビでした。タレント活動を始めましたが、毎日仕事があるわけではありません。そこで、出演時のためにメモとして書き溜めていたネタを漫画にして、ツイッターに投稿し始めたのです。以来、たくさんの人に読んでもらえるようになり、今も1日1作のペースで投稿しています。