ライフ

猫のスリスリはマーキング?甘えている?おねだり?一体どれ

猫は縄張り内のものには自分のにおいをつけようとする(Ph:Getty Images)

 人間の手や足に体をスリスリとこすりつけてくるのは、猫がよくする愛らしい行為の1つ。自分のにおいをつけ、マーキングしているという説が有名だが、実はそれ以外に意外な意味も…。今回は、猫がスリスリする理由を深堀りします。

 猫の専門病院Tokyo Cat Specialistsの獣医師・有田早苗さんによると、猫の体には臭腺という器官があり、そこからフェロモンを分泌しているという。

 フェロモンは猫同士でのみ嗅ぎ分けられ、そのにおいで自分の縄張りをアピールしたり、さまざまなコミュニケーションをとっている。

「臭腺は、肉球、泌尿生殖器、肛門周囲、尻尾の付け根などの他、頬や口の周りなどにもあります。スリスリと顔をこすりつけることで、猫は自分のフェロモンを飼い主につけているのです」(有田さん・以下「」内同)

 マーキングのためのスリスリは、特に飼い主の帰宅後や風呂上がりに見られる。自分の知らないにおいがする飼い主に、自分のにおいを上書きし、“これは自分のものだ!”とアピールするためだ。

「猫は自分のにおいがする場所や人に安心感を覚えるため、においつけはとても大切なんです」

 帰宅後、スリスリしてくれるのは、甘えてくれているのかな…と思っていたが、実はマーキングだったのだ。しかし、がっかりしないでほしい。猫がスリスリしてくる理由は、他にもある。

【1】おねだり
 帰宅時でも風呂上がりでもないのに、スリスリしてくる時は、ご飯をちょうだい、おやつがほしい、一緒に遊びたいなど、何かを要求している。

「猫は賢いので、過去の経験から、スリスリすると飼い主がその要求を受け入れてくれると認識できます。おねだりされたからといってご飯やおやつを必要以上に与えると肥満になる恐れがあるので注意しましょう」

【2】甘えたい
 単純に甘えたくてスリスリしてくる時もある。そんな時は、猫が喜ぶようやさしくなでてあげよう。ただし、かまいすぎないことも大切。

「甘えられるのは飼い主にとってうれしいことですが、かまいすぎると猫が興奮し、いきなりかんだり引っかいたりすることもあります。こういう場合は、かまれても叱らず、今後は触りすぎないように注意しましょう」

【3】あいさつ
 猫がスリスリする相手は人間だけではない。猫同士でする場合は、あいさつの意味合いがあるという。

 この他にも、来客など、飼い主以外のあまり親しくない人に対してスリスリすることがある。この場合は、マーキングの可能性が高い。

「遊びに行ったお宅の猫にスリスリされたら、やさしくなで返してあげると、猫の警戒心が和らぎます」

 同じ行動でもいろいろな意味がある。どんなシチュエーションでスリスリされたかを観察すると、猫の本音が少し見えてくるかもしれない。

※女性セブン2018年11月22日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波も(マツコ・デラックス/時事通信フォト)
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波、バカリズム脚本ドラマ『ホットスポット』配信&DVDへの影響はあるのか 日本テレビは「様々なご意見を頂戴しています」と回答
週刊ポスト
大谷翔平が新型バットを握る日はあるのか(Getty Images)
「MLBを破壊する」新型“魚雷バット”で最も恩恵を受けるのは中距離バッター 大谷翔平は“超長尺バット”で独自路線を貫くかどうかの分かれ道
週刊ポスト
もし石破政権が「衆参W(ダブル)選挙」に打って出たら…(時事通信フォト)
永田町で囁かれる7月の「衆参ダブル選挙」 参院選詳細シミュレーションでは自公惨敗で参院過半数割れの可能性、国民民主大躍進で与野党逆転へ
週刊ポスト
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
米国からエルサルバドルに送還されたベネズエラのギャング組織のメンバーら(AFP PHOTO / EL SALVADOR'S PRESIDENCY PRESS OFFICE)
“世界最恐の刑務所”に移送された“後ろ手拘束・丸刈り”の凶悪ギャング「刑務所を制圧しプールやナイトクラブを設営」した荒くれ者たち《エルサルバドル大統領の強権的な治安対策》
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン
中居正広氏とフジテレビ社屋(時事通信フォト)
【被害女性Aさん フジ問題で独占告白】「理不尽な思いをしている方がたくさん…」彼女はいま何を思い、何を求めるのか
週刊ポスト
食道がんであることを公表した石橋貴明、元妻の鈴木保奈美は沈黙を貫いている(左/Instagramより)
《食道がん公表のとんねるず・石橋貴明(63)》社長と所属女優として沈黙貫く元妻の鈴木保奈美との距離感、長女との確執乗り越え…「初孫抱いて見せていた笑顔」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
NEWSポストセブン