球団史上ワーストタイの4年連続V逸を喫した巨人は、高橋由伸監督から原辰徳監督に交代。過去12年間にわたって指揮を執り、優勝7回、日本一3回の実績を持つ“永遠の若大将”に再建を託した。一方で、3度目の就任となる原監督を固める1軍コーチ陣には、宮本和知氏や元木大介氏といった引退後初めてユニフォームを着るOBもおり、ヘッドコーチは置かれていない。しかも、全て球団OBであり、原監督より年下ばかり。野球担当記者が話す。
「最大の不安は投手コーチでしょう。第1次原政権では鹿取義隆氏、2次政権の最初の4年では尾花高夫氏と監督より1歳年上のコーチを置き、彼らが投手陣を統括していた。しかし、今回の投手総合コーチは引退後21年間、一度もユニフォームを着ておらず、原監督より6歳年下の宮本和知氏。投手コーチは監督の采配にブレーキを掛ける役割もある。果たして、彼にその役割が担えるかどうか」(以下同)
原監督で優勝できなかったのは2003年、2006年、2010年、2011年、2015年の5回。優勝のストップには、投手コーチの人事が大きく影響しているようにも取れる。
日本一に輝いた翌2003年は鹿取コーチがシーズン途中に辞任。2006年に就任した尾花高夫コーチは、2007年からのリーグ3連覇に大きく貢献した。しかし、同氏が横浜監督就任に伴ってコーチ辞任した翌2010年は3位に転落。この時は斎藤雅樹氏、香田勲男氏という原監督の現役時代の後輩である2人が投手コーチを務めていた。
2011年には広島、巨人で活躍した川口和久コーチが就任。見事な手腕を発揮し、2012年からリーグ3連覇を果たす。しかし、2014年限りで退団すると、翌2015年は優勝を逃した。この時の投手コーチは斎藤雅樹氏、田畑一也氏、豊田清氏の3人体制でいずれも原監督との年齢は離れていた。