FA宣言をした広島・丸佳浩の去就が注目されている。巨人とロッテが早々と獲得に名乗りを上げ、広島も「宣言残留」を容認する姿勢を見せている。過去に広島が宣言残留を認めたのは、黒田博樹、新井貴浩、大竹寛(現・巨人)の3選手のみで、いかに広島が丸残留を熱望しているかがわかる。広島をセ・リーグ3連覇に導いた立役者の1人の動向は今オフ最大の話題となっている。
FAするか注目されていた日本ハムの中田翔は宣言せずに3年契約を結ぶと報道され、西武の中村剛也は海外FA権を行使した上で残留を決めた。中村のように残留ありきのFA宣言は、制度導入2年目の1994年から何人もの選手が行なってきた。
しかし、国内球団への移籍可能性ありのFA宣言をした上で、最終的に残留した選手は過去25年でわずか5人しかいない(メジャーリーグ挑戦を志向した上で残留したケースは除く)。
FA制度導入元年の1993年オフには巨人の槙原寛己が権利を行使。宣言前、球団代表と来季の交渉を行ったものの、槙原の希望年俸1億2000万円に対して、球団は1億円の提示。毎年のようにトレード報道が出ていた槙原は複数年契約を要求するも、認められなかった。
交渉が物別れに終わったため、槙原は11月10日にFA申請用紙を郵送。すると、巨人は態度を軟化。最終的には、長嶋茂雄監督が花束を持って自宅を訪れ、槙原は残留を決意した。希望通りの年俸1億2000万円、功労金4000万円、3年の複数年契約を勝ち取った。野球担当記者が話す。