〈報道された言葉をそれだけ取り上げたら一〇〇%私が悪い。天皇陛下に対して不敬な言葉遣いだったことは心から反省しています〉
10月31日付で退任したばかりの靖国神社の小堀邦夫・前宮司がそう綴った8ページにわたる「独占手記」が11月10日発売の『文藝春秋』に掲載された。
退任のきっかけとなったのは本誌(10月12・19日号)が報じた「第1回教学研究委員会定例会議」(6月20日)での小堀前宮司の「陛下が一生懸命、慰霊の旅をすればするほど靖国神社は遠ざかっていくんだよ。(中略)今上陛下は靖国神社を潰そうとしてるんだよ。わかるか?」などの発言だった。
手記では本誌が報じた「慰霊の旅」発言について〈発言したのは事実です。しかし、陛下のなさってきた「慰霊の旅」の意義を否定するつもりはありません〉と釈明しながら、小堀前宮司はこう続けている。
〈しかし陛下が慰霊の旅でなさっていることは、あくまでもその悲惨な場所の近くで亡くなった人たちを偲ぶという行為であって、亡き人々の神霊を祀ることではありません〉
靖国神社関係者が言う。
「主張したい気持ちは分かりますが、内部からは“なぜ今になって言うのか”と疑問の声も寄せられています」