市販薬と処方薬の飲み合わせで思わぬ副作用が出るケースがある。しかし、市販薬を購入する際に、服用中の薬を聞かれることはあるが、チェック体制が十分とはいえない。
全国約9000の薬局から情報を収集・分析する公益財団法人日本医療機能評価機構は「ヒヤリ・ハット事例」を公開している。その事例集の中でも、薬局で一般薬を購入した患者が、実は併用が望ましくない処方薬を飲んでいたことが後になって判明したケースも数多く掲載されている。池袋セルフメディケーション薬局の薬剤師・長澤育弘氏はいう。
「『降圧剤』を日常的に飲んでいる人が、熱を出してドラッグストアで買った『解熱鎮痛剤』を飲んだとします。鎮痛成分のロキソプロフェンは、一部の降圧剤と効果を打ち消し合ってしまうことがあります。そのまま飲み続けると血圧が上がって脳卒中などを引き起こすリスクもある。
また、一部の『抗生物質』と、マグネシウムを含む『胃腸薬』は互いの吸収を阻害し効果を打ち消し合うことも考えられる」(同前)
市販薬でも添付文書を確認するなどして、自分の健康は自分で守りたい。
※週刊ポスト2018年11月30日号