満55才で即位されてから30年間で、47都道府県全てを2度以上ご訪問された天皇陛下。皇后陛下と共にこれほど、日本や世界を旅した天皇はいない。国民に少しでも寄り添おうと、移動された総距離は62万kmを超え、地球約15周半にも及ぶ。
その旅路では、各地で幾度もご宿泊された。そこで、平成最後の今こそ訪れたい両陛下の旅した宿を、『旅する天皇』(小学館)の著者でもある竹内正浩さんにナビゲートしてもらった。
来年で55周年を迎える『札幌パークホテル』は、1972年の札幌冬季オリンピックの際に、「国際的なシティホテルを札幌に」という目的で建てられた。
1964年の開業以来、両陛下が札幌を訪れた際の常宿となっており、ホテルのオープニングには三笠宮甯子内親王が立ち会われている。同ホテルの澤田幸和さんは、こう話す。
「皇太子時代から数えると、10回以上ご滞在いただいております。昔なじみのスタッフをご覧になると、“今回もお世話になります”と、優しく声をかけてくださります」
両陛下は10階北側にあるインペリアルスイートルーム『1010室』に滞在される。道内の新鮮な有機野菜を使用した朝食ビュッフェも人気。サクサクのクロワッサンもおすすめ。
ホテルのパーク側からは、緑豊かな中島公園と札幌のシンボルである藻岩山を望める。秋は紅葉、冬は雪景色へと表情を変える。
さらに、『ザーサイと豚肉の細切り炒め入りタンメン』は、天皇陛下が皇太子時代にお気に召した逸品だ。お客さんと同じようにレストランで食べてみたいとご希望された逸話が語り継がれている。
【札幌パークホテル】
北海道札幌市中央区南10条西3丁目
※女性セブン2018年11月29日・12月6日号