巨人は来季、原辰徳監督が3度目の指揮を執る。10月23日の就任会見では、32分間に及ぶ質疑応答の中で6度も「のびのび」という言葉を使い、スポーツ紙には“のびのび野球”の文字が踊った。会見では「のびのびと楽しみ、勝っては喜び、負けては悔しがる」「スポーツはのびのびとやるのが原点。はつらつとやることが必要」「野球少年の中でスタートしたい、スタートする」などと熱弁。
これまで独特の語彙を用い、抽象的な言葉を選択することで、番記者やファンを戸惑わせてきた原監督の“のびのび”とは、どういう意味なのか。
秋季キャンプや補強に奔走する中で、第3次原政権が求める選手像が浮かび上がってきたという。野球担当記者が話す。
「選手の意思を尊重する意向がうかがえます。阿部慎之助が捕手復帰を監督に直訴すると、『(自分の考えと)合致していたところはあった』とし、認めています。また、原監督は澤村拓一を先発に戻す意向でしたが、本人がリリーフ志願していると聞き、『力強い“意思力”がないと、いいものは生まれない。承諾しました』と話した。少年野球を始めた時のように、まず自分のやりたいポジションで挑戦しろということでしょう」(以下「」内同)
前回の監督時、選手に肉体的にも精神的にも“強さ”を求めていた。その方針も変わっていない。10月27日、ジャイアンツ球場で選手への訓示として、『野球ができない状況であれば、社会人的に言うならば職場放棄である』とケガをしないコンディション管理を求めた。