11月29日、KDDI(以下au)から「INFOBAR xv」が発売される。INFOBARといえば同社のお洒落なデザインケータイの代表作として知られ、特に今回同様、歴代のストレートタイプの商品には根強いファンがいる。今回の商品も形はかつての“ガラケー”そのものだ。
ただし中身は、ガラケーとスマホ(4G)のいいとこ取りをした、通称“ガラホ”で、3G回線を利用するガラケーとは異なる。月額利用料金もガラケーよりも高めでスマホに近い。一方で、auは11月16日に2022年3月末をもって3Gサービスを終了すると発表し、同年4月以降は同社のガラケーは使えなくなる。
サービス終了はまだ3年以上先のこととはいえ、auも自社のガラケーユーザーが一斉に他社に流出しては困るから、同じ11月16日、auスマホに機種変更の際の契約事務手数料無料サービスをはじめ、1か月のデータ通信1GB、1回5分までの国内通話かけ放題プラン(対象端末は限られる)に移行した場合、月額料金を1年間980円(ただし2年目以降は2980円)とする“つなぎ止め”対策も発表した。
ほかのキャリアはといえば、ソフトバンクはすでに1.5GHz、1.7GHzの周波数帯の3Gサービスを終了し、NTTドコモはトップが「2020年半ばで(3Gは)できれば終了したい」と語っている。
ソフトバンクは早くからiPhoneの契約獲得に注力していたので、auやドコモに比べればガラケーの契約者は少ないはず。契約者数のシェアが最も高いドコモが、3Gサービス終了時期が一番遅いのはある意味、当然ともいえる。他社よりガラケー契約者数もそれだけ多いだろうからだ。
いま、契約者のタイプを分類すると以下の5タイプになるのではないか。
(1)ガラケーのみを利用しているユーザー
(2)ガラケー+スマホ、あるいはタブレットの2台持ちユーザー(スマホ、タブレットはデータ通信のみの契約)
(3)SIMフリースマホを利用し、2つあるSIMトレーの片方にMVNO(※注)契約のデータ専用SIMを挿し、もう1つのほうにガラケーの契約SIMを入れているユーザー(ただし対応機種は限られて少ない)
(4)MVNOとの契約でデータ通信も音声通話も両方加入しているユーザー
(5)データ通信、音声通話ともにキャリア契約のユーザー
※注/IIJmioやmineo、OCNモバイルONEなどを手がける仮想移動体通信事業者。ドコモやソフトバンク、auなどのキャリアと異なり、キャリアから設備を借り受けて携帯電話サービスを提供する企業。
ガラケーはすでに生産は終了しており、各キャリアがいつまで3Gサービスを継続するのかに注目が集まっていたが、中古の携帯販売店ではここ1、2年、ガラケーを買い求める人が増えていると聞く。3Gサービスが終了するまで、ガラケーの“予備機”を持っておこうという人が多いのかもしれない。
そういう意味で、先々の“ガラケー難民”の受け皿対象者は、上記の(1)、(2)に該当する人になる。