1990年に行なわれた今上天皇の即位パレードは、皇居から赤坂御用地までの約4.7キロメートルの道程に、約11万7000人が集まった。1993年の皇太子と雅子妃の結婚パレードでは、同じく皇居から赤坂御用地までの4.25キロメートルに、19万2000人もの人が駆けつけた。
平成皇室史のハイライトを文字通り“下支え”したのが、英ロールス・ロイス社製のオープンカーだった。
「約4000万円で購入された特別仕様車でしたが、使用されたのはその2回だけ。宮内庁の職員が手入れしているそうですが、すでに車検も切れ、走れる状態ではない」(皇室記者)
来年5月以降、即位にまつわる儀式が続く。10月22日には新天皇の即位を内外に示す「即位礼正殿の儀」が行なわれる。同日の即位パレードで使われる新しいオープンカーを、政府は国産の自動車メーカーに発注する方針だ。これに各メーカーが色めき立った。あるメーカーの技術者がいう。
「世紀のシーンで使われる車が自社製のものとなれば、会社としてのブランド力にもつながる。オープンカーは出血覚悟で取りに行ってもいい」
号砲が鳴らされた「オープンカー争奪レース」を制するのはどこか。皇室ジャーナリストの神田秀一氏が解説する。