最新のデータ計測が設置されているのはヤフオクドームだけではない。筑後にある二・三軍の施設にも、球場やブルペン練習場にまでボールの動きを三次元にトラッキング(追跡)できるトラックマンや高解像度カメラが設置されている。ヤフオク!ドームのホークス・ロッカールーム側にあるデータチェックができる「資料室」の常連である、今季32本塁打を記録した松田宣浩・三塁手(35)はデータ活用について、こう語っている。
「チームがデータを積極的に導入するようになってから、実際に結果が出続けていますからね。他チームの事情は詳しくないので比較はできませんが、最先端のデータを利用できているんだと思います。スコアラーの方に『こういうデータが欲しい』とお願いした時に、『それは難しい』という答えが返ってきたことがない。どんなタイミングでも数分後には提供してもらえる。ただ機材が素晴らしいだけでなく、球団としてデータを重視するという姿勢も感じます。選手の立場として、そういうチームでプレーできていることには感謝しています」
選手の向上心を満たすソフト面とハード面のサポート環境。ここにホークスの強さを支えるデータ野球の本質がある。
取材・文■田中周治
※週刊ポスト2018年12月7日号