「宝くじは“当たるもの”ではなく、“当てるもの”です。過去のデータをひもとけば、いつどこで買えば当たりやすいか、という“偏り”が明確になります」
そう語るのは日本で唯一の宝くじ研究家・山口旦訓(かつのり)さん。山口さん曰く、宝くじを当てるには、その年を彩るキーワードが重要だという。山口さんが語る。
「宝くじは、“政権交代の年に強い売り場”や“五輪開催の年に強い売り場”など、なぜかイベントとのシンパシーが強い。このジンクスも統計で証明されています。今年は改元を翌年に控える“平成最後”の年。私は“昭和最後”の年に当たりを出した売り場が、高額当せんの鍵を握っていると考えます」(山口さん・以下同)
今年の年末ジャンボは、1等・前後賞合わせて10億円。一方、昭和最後の年末ジャンボがあった1988年は1等・前後賞合わせて9000万円で、1等の本数は今の10倍。小さな地方売り場など、全国の売り場で当せんが出たという。
「もう30年も前の売り場になるので、閉店している場所も少なくないと思ったら、いまだに健在の売り場が多くありました。しかも、そのほとんどが、高額当せんが相次ぐ店舗だったのです」
調査した山口さんも驚いた“昭和最後”に結果を残した店舗。その中から、より1等を多く出した、“ツキ売り場”を紹介する。
まず、北海道旭川市の『堂前宝くじ店』。1億円以上の高額当せんが相次ぐ「道内一」のツキ売り場だ。
「89才になる名物売り子の輝子さんが、昭和25年から販売しています。しかし、先ごろ代替わりし、来年3月で閉店。まさに“最後の年末ジャンボ”で、狙わない手はありません」
2つめは、東京・銀座の『西銀座CC』。1988年には9本の1等が出た。
「初めて年末ジャンボが三大ジャンボとして発売された昭和55年以来、必ず1等を出し続けている売り場は、西銀座CCだけです。平成最後の年末ジャンボでも、高額当せんを出すに違いありません」
3つめは、『池袋東口西武線駅構内売り場』。昭和時代には大阪の『宝くじ大阪駅前第四ビル特設売り場』とともに1等を続出。「西の梅田、東の池袋」と称された。
「昭和最後の年末ジャンボでは4本の1等を出しました。今年のハロウィンジャンボでも1等・前後賞合わせて5億円を出しており、ツキはまだまだ健在です」