狭い集落で起きた異様な殺人事件は、周囲の人にも解せない謎を多く残した。社長はこう続ける。
「飯干(昌大)さんは、8年ほど前からうちで木材の輸送、トレーラーの運転手をやっていますが、休みの日にも仕事を入れようとするくらい真面目でした。趣味が筋トレだから細マッチョで一見、モテそうな男ですが、寡黙で自分の殻に籠るようなタイプで、いつも愛妻弁当を持参していました。松岡さんも、私の小・中学校の先輩なので知っていましたが、飯干さんと面識があったとは……意外でした」
なぜ、松岡さんは飯干家に向かったのか──。昌大さん側が“知人”である松岡さんを急きょ呼び出したと報じられたが、松岡さんと直前まで一緒にいた消防団の男性が言う。
「あの日は、13時頃から忘年会を始めて飲むことになって、消防団に所属する松岡君も参加しました。15時頃にはお酒に弱い松岡君や何人かは寝てしまって、それから18時頃にみんな起きて、20時にお開きになったんです。飲んでいる時は笑い話しかしていませんが、松岡君も普段通りに明るかった。松岡君から飯干さんのことは聞いたことがなく、接点があったことすら知らなかった。事件を聞いた時に一番に思ったのが、なんでそこ(飯干さん宅)にいたのかってことでした」
◆「嫁さんが『行くな』と止めたとは聞いている」
昌大さんは、前妻との間に拓海さんをもうけるも離婚し、その後、美紀子さんと再婚して唯さんが生まれた。
一方、松岡さんは今年5月に妻のAさんと結婚したばかりだった。