ライフ

知の巨人・佐藤優氏が『ゴルゴ13』を50年間も愛読する理由

知の巨人・佐藤優氏が「これは敵わない」と白旗をあげる人物が、ゴルゴ13だという

 元外務省主任分析官で、その圧倒的な知識量から、現代の「知の巨人」と称される佐藤優氏。新聞、雑誌、書籍、ネット上などから、「1日4時間のインプット」を課す佐藤氏だが、50年もの間、愛読し続ける意外な作品がある。『ゴルゴ13』だ。最新刊『ゴルゴ13×佐藤優 Gのインテリジェンス』では、トランプ政治、貿易戦争、AI、仮想通貨、フェイクニュースなど、様々な旬の話題の“舞台裏”を解説しているが、ゴルゴ(通称G)から多数のヒントを得たという。なぜ今、「Gのインテリジェンス」なのか。佐藤氏が語る。

 * * *
 外交官時代を含め、私は各国のさまざまなインテリジェンス・オフィサーと接してきました。しかし、「これは敵わない」と瞬時に白旗をあげざるを得ない人物がいます。それが『ゴルゴ13』の主人公であるゴルゴ13、通称「G」ことデューク東郷です。

 ゴルゴは究極のスナイパーであり、超一流のビジネスマンですが、そのインテリジェンスのスキルにも感嘆させられます。

 たとえば、ゴルゴのところに来る依頼の情報のすべてが、正しいわけではありません。依頼人にはCIAやMI6などの諜報機関も名を連ねますが、彼らですら、あいまいな情報をもとにゴルゴに仕事を依頼していることがあります。最初から陥れようとする依頼人もいます。

 こうした依頼の真偽を見分けることができなければ、ゴルゴの命は危険にさらされます。それはすぐに“死”につながるものです。つまり、ゴルゴ自身に情報を判断し、真偽を見極める力がなければ、すべてが終わってしまうのです。

 1968年、ビッグコミック誌上でスタートした『ゴルゴ13』は、前人未踏の連載50年を迎えました。希有なキャラクターの存在やスリリングな物語の展開などが、人気の秘密でしょうが、作品を読み込んでいくと、別の理由も浮かび上がってきます。

 それがゴルゴのインテリジェンス能力ではないかと、私は考えます。

関連キーワード

関連記事

トピックス

4月14日夜、さいたま市桜区のマンションで女子高校生の手柄玲奈さん(15)が刺殺された
「血だらけで逃げようとしたのか…」手柄玲奈さん(15)刺殺現場に残っていた“1キロ以上続く血痕”と住民が聞いた「この辺りで聞いたことのない声」【さいたま市・女子高生刺殺】
NEWSポストセブン
ファンから心配の声が相次ぐジャスティン・ビーバー(dpa/時事通信フォト)
《ハイ状態では…?》ジャスティン・ビーバー(31)が投稿した家を燃やすアニメ動画で騒然、激変ビジュアルや相次ぐ“奇行”に心配する声続出
NEWSポストセブン
NHK朝の連続テレビ小説「あんぱん」で初の朝ドラ出演を果たしたソニン(時事通信フォト)
《朝ドラ初出演のソニン(42)》「毎日涙と鼻血が…」裸エプロンCDジャケットと陵辱される女子高生役を経て再ブレイクを果たした“並々ならぬプロ意識”と“ハチキン根性”
NEWSポストセブン
山口組も大谷のプレーに関心を寄せているようだ(司組長の写真は時事通信)
〈山口組が大谷翔平を「日本人の誇り」と称賛〉機関紙で見せた司忍組長の「銀色着物姿」 83歳のお祝いに届いた大量の胡蝶蘭
NEWSポストセブン
20年ぶりの万博で”桜”のリンクコーデを披露された天皇皇后両陛下(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA) 
皇后雅子さまが大阪・関西万博の開幕日にご登場 20年ぶりの万博で見せられた晴れやかな笑顔と”桜”のリンクコーデ
NEWSポストセブン
朝ドラ『あんぱん』に出演中の竹野内豊
【朝ドラ『あんぱん』でも好演】時代に合わせてアップデートする竹野内豊、癒しと信頼を感じさせ、好感度も信頼度もバツグン
女性セブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
《実兄が夜空の下で独白》騒動後に中居正広氏が送った“2言だけのメール文面”と、性暴力が認定された弟への“揺るぎない信頼”「趣味が合うんだよね、ヤンキーに憧れた世代だから」
NEWSポストセブン
高校時代の広末涼子。歌手デビューした年に紅白出場(1997年撮影)
《事故直前にヒロスエでーす》広末涼子さんに見られた“奇行”にフィフィが感じる「当時の“芸能界”という異常な環境」「世間から要請されたプレッシャー」
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下は秋篠宮ご夫妻とともに会場内を視察された(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA) 
《藤原紀香が出迎え》皇后雅子さま、大阪・関西万博をご視察 “アクティブ”イメージのブルーグレーのパンツススーツ姿 
NEWSポストセブン
2024年末に第一子妊娠を発表した真美子さんと大谷
《大谷翔平の遠征中に…》目撃された真美子さん「ゆったり服」「愛犬とポルシェでお出かけ」近況 有力視される産院の「超豪華サービス」
NEWSポストセブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
【独自】「弟がやったことだと思えない…」中居正広氏“最愛の実兄”が独白30分 中居氏が語っていた「僕はもう一回、2人の兄と両親の家族5人で住んでみたい」
NEWSポストセブン
『傷だらけの天使』出演当時を振り返る水谷豊
【放送から50年】水谷豊が語る『傷だらけの天使』 リーゼントにこだわった理由と独特の口調「アニキ~」の原点
週刊ポスト