逆風が吹きつつも視聴率は好調を維持している日本テレビだが、近年、冬は厳しい戦いが続く。12月9日(日)も、紀平梨花が優勝したグランプリシリーズ決勝を放送したテレビ朝日は17.4%(関東世帯平均)で『行列の出来る法律相談所』の12.3%、日曜劇場『下町ロケット』の12.6%を抜き同時間帯トップを記録した。「数年前から、フィギュアスケートの季節になると数字(視聴率)が厳しくなる」と漏らすのは、日本テレビの編成関係者だ。
「ソチ五輪で羽生結弦が金メダルをとったあとのフィギュアスケート人気は、テレビの視聴率にも直結しています。五輪後のグランプリシリーズは軒並み高視聴率で、とくに羽生結弦が世界歴代最高得点で優勝したファイナルは、平均20.7%、瞬間最高29.2%を記録しました。以降、フィギュアスケートの中継、とくに羽生が出場する大会の中継があると、他番組は力負けします」
フィギュアスケートの大会中継は現在、NHK杯をのぞくグランプリシリーズと国別対抗戦をテレビ朝日、全日本選手権と世界選手権、四大陸選手権をフジテレビが放送している。日本テレビは、系列のCS放送では定期的にアイスショーを放送しているが、順位がつく選手権の中継はない。そのため、大会翌日以降に情報番組で取り上げるとき、映像に使用制限がかかる。
「中継局であれば、ニュース以外の番組でももう少し長い時間の特集を組めますが、中継をしていないと権利がないので、短くさらりと大会での活躍を振り返る構成にせざるをえない。大会翌朝は選手の活躍を振り返りたい視聴者も少なくないのですが、その人たちを引き留められない。そのあたりは割り切って、出来ることに全力を注ぐしかないです」(同前)
すっかり強いコンテンツとなったフィギュアスケート中継だが、今年の12月は勢いが少し落ちるのではないかとみられていた。11月末に、羽生結弦がグランプリシリーズ決勝を負傷で欠場すると発表されていたからだ。