暮れになってリーディングジョッキー争いと共に話題になるのは、厩舎のチームワークが問われるリーディングトレーナー争い。各厩舎の“哲学”や得意な距離、騎手との相性などは馬券検討の重要なファクターだ。競馬歴40年のライター・東田和美氏が、厩舎の違いでみる競馬の面白さについてお届けする。
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C・ルメールは12月第1週も勝ち星を積み重ね、興味は武豊が2005年につくった212勝という記録を塗り替えるかどうかに集まっている。残り5日で11勝というのはルメールにとって難しい数字とは思えないが、「あと1勝」が届かなかった過去がある。
初のリーディングジョッキーに輝いた昨年の最終日は6鞍騎乗、うち3頭が1番人気だったが未勝利。有馬記念の日も6鞍に騎乗して、4頭が1番人気だったが2勝止まりで、最終的に200勝の大台にあと1勝届かなかった。
また2016年はリーディング2位だったが、最終日を前にして、1位戸崎圭太との差はわずかに1。最終日は1、2レースで戸崎が連勝してその差を3に開くが、ルメールは人気馬に騎乗しながら勝ちきれず、ついに9レースを迎えた。この時点で2着の差で戸崎のリーディングが決まったが、ルメールは9RのホープフルSでレイデオロ、10Rの有馬記念でサトノダイヤモンドと重賞を連勝して、その差を1まで詰めた。
一方。リーディングトレーナー争いは12月第1週終了時点で、藤原英昭厩舎が56勝、以下矢作芳人52勝、中竹和也と藤沢和雄51勝と続いている。いずれも、調教師の強いリーダーシップのもと、毎年コンスタントに50勝前後勝っている名門厩舎ばかり。しかし、リーディングトレーナーになりたいがために、年明けに予定していた出走を早めたりすることはない。あくまでも「馬優先」、厩舎成績はその結果だ。