8月25日の東京・町田市民ホールから始まった田原俊彦の全国ツアーは、11月2日の鹿児島・宝山ホールで幕を閉じた。2か月強、全国11ヶ所に及んだライブ最終日を『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記1979-2018』(青弓社)の著書で、田原俊彦のライブを21年間見続けている芸能研究家の岡野誠氏がレポートする。
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今ツアーが発表された4月2日、私は一抹の不安を覚えた。
田原俊彦のライブはバラードもあるが、基本的に2時間歌って踊り続ける。ターンをしたり、足を上げたりするだけではない。ステージを縦横無尽に動き回り、バレエやヒップホップなど様々なダンスを2時間の中で披露する。もうすぐ還暦を迎える男がそんな構成をしていること自体、異常だ。
近年、田原は中5~6日を空けて週1回のペースでライブに臨んでいる。ライブ構成や年齢を考えれば、ベストな選択だ。
今年も、そのような日程が組まれていた。しかし、最後の3公演は10月28日東京・中野サンプラザ、11月1日宮崎市民文化ホール、11月2日鹿児島・宝山ホールとなっていた。中3日で九州に移動し、2日連続公演を行なう。
田原俊彦にとって、ライブでは2014年8月2日、3日以来となる。2時間歌って踊り続ける57歳の男に、あまりに酷過ぎる。
一体、どんなステージになるのか。心配になった私は、飛行機で九州に飛んだ。