低迷が続いているフジテレビに復活の兆し? 22日に放送される、出川哲朗、田中裕二、岡村隆史が出演する特別バラエティーへの期待が高まっている。「フジらしい」という声もあるこの番組への見どころと、フジのバラエティーの最近の“変化”についてコラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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番組のプレスリリースが各社に送られたとき、記者たちの間で「これはひさびさの大型特番だな」「フジテレビらしい企画が帰ってきた」という声が飛び交いました。
22日に放送される『出川と爆問田中と岡村のスモール3』(フジテレビ系)は、「身長160cm以下のアラフィフ」という共通点を持つ出川哲朗さん、田中裕二さん、岡村隆史さんによるロケバラエティー。
「スモール3」というコンセプトは、かつて一世を風靡したビートたけしさん、タモリさん、明石家さんまさんの「BIG3」に対するものであり、フジテレビにとってはセルフパロディ。テレビの全盛期と言われる時期に相応しい大物3人で結成した「BIG3」に対して、テレビの低迷期と言われる時期に相応しい小さな3人で結成した「スモール3」という設定に脱力感を誘われます。
言わば自虐的な意味合いもあるのですが、それでも「面白ければOK」というスタンスがいかにも往時のフジテレビバラエティー。その内容を見ても、かつての「楽しくなければテレビじゃない」を思わせるハジけたものが目立ちます。
◆人気絶頂の出川、新番組で勢いに乗る岡村
3人はまずこれまでの人生を振り返り、後悔が残ること、未体験なことなどの「今、やっておかないと気が済まないこと」や「今、会いたい人」についてトーク。その上で、「実現させるものを選んでロケに繰り出す」という番組構成です。
なかでも目玉は、株式会社ZOZO代表取締役社長・前澤友作さんの自宅訪問。「建築費用100億円」と噂されるほか、着工から数年過ぎても完成していないため「千葉のサグラダ・ファミリア」の異名を持つ豪邸は、テレビ初公開であり必見です。
さらに別の企画では、結婚相談所を訪れて大はしゃぎ。とりわけ独身の岡村さんは、実際に女性を紹介してもらうなど、レアな姿が盛りだくさんのようです。
特筆すべきは、「2時間番組であるにも関わらず、丸々2日間のロケを行った」というロケの量。岡村さんは「ずっとカメラを回していて疲れたけど、半分以上は使われない。最近では珍しい昔ながらの“ストロングスタイル”の番組」と語っていました。
“ストロングスタイル”とはプロレスの用語で、「ショーアップされた要素を省いて、強さを追求した戦いを見せる」方針のこと。つまりこの番組は、「ショーアップするのではなく、ただただ面白さを追求してロケを続ける」ものなのでしょう。
しかも2018年は、出川さんが『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』(テレビ東京系)や『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)などで人気絶頂、岡村さんも今年の新番組『チコちゃんに叱られる!』(NHK)のヒットでノリノリ。
スケジュールがレギュラー番組で埋め尽くされている田中さんも含めて、タイムリーで超売れっ子の3人を集めた上で、あえてストロングスタイルを仕掛けることで、「やっぱりフジテレビはこうでなくちゃ」という気持ちにさせてくれそうです。
◆「芸風、性格、事務所がバラバラ」だから面白い