臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人やトピックスをピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、楽曲『U.S.A.』で再ブレイクしたDA PUMPを分析。
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今年も残すところ後1週間ほど。大晦日の恒例といえば、やはりNHKの紅白歌合戦だが、ここ数年、知らない歌手やグループの出場が増えてきた。年の瀬に紅白を見て、初めて「へぇ~、こんなグループがいたんだ」「今年はこんな歌が流行っていたんだ」と知るのだから、流行の変化やスピードについていけない自分を再認識する日でもある。
そんな中、今年は出場者の中に懐かしい名前があった。DA PUMPだ。2000年前後にブレイクしたDA PUMPは、歌唱力とダンスの巧さを兼ね備えた時代の先を行くかっこいいグループだったが、いつのまにかテレビから姿を消していた。
それが今年、メンバーが入れ替わり、楽曲『U.S.A』で再びブレイク。なんとも懐かしいビートに古臭い昭和的な歌詞、「前に流行してたよなぁ」と思わせるファッションや真似しやすいダンスは、バブル期を知る世代としてはなんとも耳目に心地よい。
この曲は、ダサいけどかっこいい、“ダサかっこいい”として評判を呼んだ。今やこの言葉がDA PUMPやこの曲を語る上での代名詞になっているほどだ。キャッチフレーズかと思うほど、よく見聞きする。
だからなのか、今や「ダサかっこいい」と聞けば、意識することなくDA PUMPを思い出す。どうやら、「プライミング効果」が起きているらしい。プライミング効果とは、前に見聞きしたり経験した物事や情報によって、別の事柄を思い出しやすくなったり、思い出しにくくなったりする現象のことである。きっと、ダサかっこいいと聞いて、同じようにDA PUMPが頭に浮かんでくる人は多いに違いない。