いよいよ今週は、1年でもっとも競馬が盛り上がる有馬記念。今年の注目は障害王者・オジュウチョウサンの出走だ。「置き障害でもあれば楽勝」というジョークも飛んでいるが、はたして平地ではどうなのか。競馬歴40年のライター・東田和美氏が、2018年有馬記念の勝負の行方についてお届けする。
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いくらGI5勝を含む重賞9連勝といっても障害でのこと、平地では1000万条件を勝ったばかりなので、人気先行なのではないかと思えてしまう。なにしろここにはダービーと天皇賞(秋)の覇者レイデオロ、3歳でこのレースを勝っているサトノダイヤモンドなど(平地の)GI馬が7頭も出てくるのだ。
勝ち馬だけを見れば、平成に入ってから1番人気が13勝2着6回と勝率・連対率とも安定。だが、1~3着が人気通りに決まったのは一昨年ただ1回。4番人気までで決まったのも6回だけ。2、3着が人気薄で高配当になることが多かった。対抗馬となる2番人気、3番人気馬は合わせて4勝しかしていない。
ところが4番人気馬は7勝もしており、むしろこちらのほうが人々の記憶に残っている。オグリキャップ、トウカイテイオー、ジェンティルドンナ―いずれも、近走で不振だったり、1年ぶりのレースだったりという不安を払拭したドラマチックな快走で感動を呼んだ。ディープインパクトに日本馬で唯一土をつけたハーツクライも4番人気だった。
そう考えると2歳当時平地ではまったく勝負にならず、障害転向初戦でも最下位14着に敗れたオジュウチョウサンが、4年の時を経て有馬記念で……というのは、十分ドラマチックではある。