最近、待望の第1子が生まれたばかりの主婦A子さん(33才)は、わが子のためにこれまで以上に食品に気を使うようになった。産地や栄養素はもちろんのこと、A子さんが真っ先にチェックするのは、「無添加かどうか」だ。だが実はこの表記は“偽りアリ”なのだ。
「日本の食品表示では、『無添加』と表示されていても、実際は添加物が使われていることがあるのです」
そう話すのは、食品ジャーナリストの郡司和夫さん。
「食品衛生法では、原材料の加工の過程で使用されるものの、食品に持ち越される量が微量の添加物は、『キャリーオーバー』として表示を免れる。同様に、食品の加工の際に添加されるが、完成前に除去されて、最終製品にはほとんど残らない添加物は、『加工助剤』として表示が免除されます」(郡司さん・以下同)
つまり、“ホントは入っているのに入っていないとされる”添加物があるというわけだ。その一例が、ワインの加工中に添加される「ソルビン酸」である。
「国産ワインの原材料名表示欄によく記載されている『輸入ぶどう果汁』には、加工中に発酵を抑制する保存料のソルビン酸が添加されることが多いですが、キャリーオーバーのため表示されません。動物実験でソルビン酸は、肝臓肥大、成長抑制、染色体異常を引き起こすことなどが報告されています。『無添加』として売られているワインにも、このソルビン酸が含まれるケースがあるのです」
さらにワイン製造においては、他の加工助剤の利用も認められている。
「特に『L-酒石酸』と『リン酸水素二ナトリウム』は、動物実験で急性毒性やカルシウム減少が報告されており、健康被害が心配な添加物です。ただし、これらには表示義務がないため、実際にワインに含まれているかどうか、わからない。こうした加工助剤が使われたかどうかは、直接メーカーに問い合わせるしかありません」
ワインに加え、「果汁100%」をうたうジュースにも注意が必要だ。