今年1年、どんな本を読みましたか? 2人のベストセラー作家に「2018年の3冊」を選んでもらった。
【山田詠美(作家)が選んだ3冊】
『辺境の路地へ』上原善広(河出書房新社)
上原さんの本は夫に勧められて読むようになりました。〈私にはいつもここではないどこかへ、女と一緒に逃げたいという願望がある〉という一文通りの旅をする作者の行き先は、いつもわびしくてさびしいが「わびさび」とは無縁の、ブルージーな味わい。
『沖縄アンダーグラウンド 売春街を生きた者たち』藤井誠二(講談社)
『鎌倉の家』甘糟りり子(河出書房新社)
【辻村深月(作家)が選んだ3冊】
『こぐまのケーキ屋さん』カメントツ(小学館)
とってもかわいい、こぐまが店長のケーキ屋さんの話。ただかわいいだけじゃなくて、読んでいると「孤独」の意味や、一緒に何かを見たり食べたりできる人のいることの幸せに思いを馳せて、小さなエピソードひとつひとつに涙が出そうになります。
『漫画みたいな恋ください』鳥飼茜(筑摩書房)
『いまは、空しか見えない』白尾悠(新潮社)
※女性セブン2019年1月3・10日号