中国の電子商取引最大手アリババグループの馬雲(ジャック・マー)会長が中国共産党員だったことが明らかになった。党機関紙「人民日報」が報じたもので、馬氏は「中国の経済発展に貢献した100人」のリストに名前を挙げられており、その紹介文に「共産党員」と記載されていた。
馬氏は極めてリベラルな主張で知られているだけに、政党に属していないと一般的に考えられていたが、そうではないことが判明した。ネット上では「共産党員は清貧なはずではなかったのか。中国で有数の富豪が党員なんて信じられない」との驚きの声の一方、「共産党員で何が悪い。一党独裁体制の中国だからこそ、共産党員が特権を利用して金もうけができるのだ」との正反対の書き込みもみられる。
この100人のリストの中には、馬氏同様、IT業界の大物実業家としては騰訊(テンセント)の馬化騰(ポニー・マー)最高経営責任者(CEO)や、百度(バイドゥ)の李彦宏(ロビン・リー)CEOも選ばれているが、「党員」の注釈はなかった。
アリババの報道担当者は「弊社の幹部の所属政党がビジネス上の意思決定プロセスに影響を及ぼすことはない」と強調。そのうえで、「わが社は進出先の国の法律や規則を全て順守している」と主張したが、馬氏がいつから共産党員になったのかについては明言しなかった。
香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」は馬氏の大学時代の友人の話として、「馬氏は浙江省の大学生時代から共産党員だった。彼は党の史跡である延安などの『革命聖地』にも頻繁に旅行しており、党の活動には熱心だった」などと証言している。