故・土井たか子氏ら、平成の初めに「マドンナ旋風」を起こした女性議員は政界に1人も残っていないが、いまや女性の大臣や知事、党首、首相候補が生まれ、スキャンダルの主役になっている。果たして、女性政治家は「成熟」したのだろうか。
「政治の世界はいまだ男社会。女性が首相になるためには、男たちから権力を奪い取らなければならない。女性議員にその覚悟があるのでしょうか」
そう指摘するのは『女政治家の通信簿』(小学館刊)の著者で文筆家の古谷経衡氏だ。「政界のマドンナ」と呼ばれるのは、男性政治家から権力闘争の相手ではなく、“花を添える存在”と軽視されている証拠という。
「男性優位の政界に女性が飛び込むとチヤホヤされる。それは政策や胆力を評価されてのことではなく、女性だから。本当は見下されていると屈辱を感じるべきです。
唯一、自民党総裁選で安倍首相に挑もうとした野田聖子氏には反抗精神を感じたが、今では与野党問わず、男に媚びへつらう型の女性政治家が大半を占めている」
安倍政権には「女性大臣枠」があって、人数が少ない女性議員は男性より出世が早い。中には稲田朋美・元防衛相のようにスピード出世で「将来の女性首相候補」と持ちあげられた政治家もいた。
だが、稲田氏は大臣の務めを果たせずに更迭された。