近年、私立大学の入試は「定員厳格化」の影響で厳しさを増している。だが、2019年の入試からその傾向は変わりそうだ。大学通信の安田賢治常務取締役は、「難関私大も積極的に狙えるチャンス」と助言する。
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私大の定員厳格化は2016年から始まった。これは国の地方創生政策の一環だ。大都市圏の大規模大学が、地方から入学者を数多く受け入れているために、地方の大学の入学者が減っているという考えから始まっている。
そこで、大都市圏の地方からの受け入れを制限することで、地方の若者が地元の大学に進学して地方に定着し、地方創生が果たせるというわけだ。2015年までは、入学者が2000人以上の大規模大学で、定員の1.2倍未満まで入学させてもよかった。それが年々減少し、2018年には1.1倍未満まで制限することになった。
入学者を減らすことは合格者を減らすことにつながる。2015年と2018年を比べると、一般入試の合格者数は立命館大が5853人減、早稲田大が3749人減、明治大が3693人減などと大きく減らしている。2015年には合格していた受験生が、2018年には不合格になったということだ。
この定員の厳格化に対して、受験生は併願校を増やすことで対抗した。2017年の私立大の志願者は前年に比べて8%増、2018年は7.2%増と激増。志願者が増えて合格者が減ったのだから、入試は厳しくなった。
倍率(志願者数÷合格者数)をみると、早稲田大は2015年の5.7倍から2018年には8.1倍に跳ね上がっている。同様に青山学院大は5.9倍→8.6倍、専修大は2.9倍→5.4倍、法政大4.8倍→7.0倍、京都産業大は4.0倍→8.3倍などと大きくアップしている。