天皇誕生日、元日、一般参賀……今上天皇とともにあったあらゆる年末年始の行事が“平成最後”と形容される、日本人にとって特別な節目がやってくる。そして、いよいよ代替わりの日が近づく。「天皇」について解説した著書『池上彰の「天皇とは何ですか?」』(PHP研究所)もあり、NHK時代に宮内庁も担当したジャーナリストの池上彰氏が、新天皇をいただき、元号が変わる新しい時代について、展望を語る。
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考えてみれば、元号が変わっても西暦は同じであり、2019年が2020年になるわけではありません。しかし平成から次の元号になれば、日本人の気分は大きく変わります。
NHK時代、私は昭和天皇の病状報道をしていました。昭和天皇が崩御されて平成になった時、戦争のイメージと切り離せない昭和が終わり、新しい時代が始まる感慨がありました。
しかも前回と違い、生前に退位される今回は、天皇が亡くなるという悲しみがありません。日本中が「お疲れさまでした」と今上天皇を心から慰労する気持ちと、新元号を祝うムードに包まれるはずです。
もちろん、不安要素もあります。2019年5月1日以降、皇位継承権のある皇族は秋篠宮、悠仁さま、常陸宮の3人だけになり、皇位継承者が途絶える可能性があります。憲法をめぐる現政権との駆け引きは続くでしょうし、秋篠宮眞子さまの結婚問題も気になります。