トヨタ自動車が今年初めから開始すると発表している愛車サブスクリプション(定額制)サービスの「KINTO」。毎月定額を支払うことで、好きなクルマ・乗りたいクルマに自由に乗り換えられるという嬉しいサービスだ。海外ではすでに実施しているメーカーもあるが、果たして日本で定着するのか。佃モビリティ総研代表の佃義夫氏がレポートする。
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トヨタは、2019年から国内販売でお客様にクルマとの新しい関係を提案する「愛車サブスクリプションサービス」を導入する。
「保有から利用へ」──自動車ユーザーの生活スタイルや消費スタイルが変化している中、1台のクルマを長年保有するニーズに加え、好きなクルマ・乗りたいクルマを自由に選び、気軽に楽しみたいというニーズが高まってきている。そうしたニーズを汲み取ろうと、国内のトヨタディーラーがトヨタ車を自由に選んで乗れるサービスを新たに展開するものだ。
サブスクリプションサービスとは、継続課金制により利用期間に対して支払うサービスで、アマゾンやグーグルなどIT企業で展開されているが、自動車でも米国でGM、フォード、ボルボが、英国ではBMWが展開をスタートさせている。
日本国内で、自動車メーカーが展開するのは初のケースとなるが、トヨタでは「必要な時にすぐに現われ、思いのままに移動でき、環境にも優しい『筋斗雲』をイメージして、愛車サブスクリプションサービス『KINTO』と名付けた」(豊田章男社長)と思い入れを込めている。
このトヨタのサブスクリプションサービスKINTOは、いわば個人リースの変型といえるが、リースは利用者を特定のクルマに縛り付けることになるのに対し、サブスクリプションサービスでは様々な車種に乗ることができる。
また、登録・保険・保守を気にしなくても良いし、リースだと保険は自分で入らなければならないが、月ごとに契約することができる。今後、自動車ローン市場が若いユーザーを中心にこのサブスクリプションサービスに移行するとも予測されている。