病気になると、人は否応なしに選択を迫られる。病院の選び方、治療のやり方、薬の選び方など、ありとあらゆる決断をしなくてはならない。
「あの時、早めに病院に行っていれば」
「あの時、安易に手術を受けなければ」
身体の異変に気づいた時、患者が冷静な判断を下すことは難しい。医者の言いなりになってしまったり、勝手な思い込みで行動してしまったり……。後々になってそれが重大な分岐点だったことに気付いても、後悔先に立たずだ。
手術のやり方など主治医の治療方針に納得がいかない場合、同じ病院内で医師を代えるか病院そのものを変えるかの2択もあるだろう。医療経済ジャーナリストの室井一辰氏は、こうアドバイスする。
「医師を代えるほうがハードルが低いと思う人がいるかもしれませんが、実際は逆。同じ病院の医師だと治療方針が同じケースが多いため、病院ごと変えなければ意味がありません。
その際、ゼロからまた検査を受ける必要があるのかと心配する人がいるかもしれませんが、前の病院から『検査結果の資料』をもらえば、同じ検査を2度受けることはありません」
◆手術を受けるなら「若手医師」か「ベテラン医師」か