放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は注目を集める若手女優・清原果耶について。
* * *
年末年始、CMで圧倒的に目立っていた女性タレントの一人が清原果耶だ。
なんといっても存在感が際立っていたのは宮本浩次、田中圭、吉沢亮、広瀬すずらと共演しているSoftbank「しばられるな」編。人々の生活に欠かせない音楽を初めて主役にした構成で、アーティストによるオリジナル楽曲を通じて新しいコミュニケーションを展開する。第一弾は、同CMにも出演している「いきものがかり」による書き下ろし。清原は、光るスティックで弾みをつけてジャンプするシーンが印象的だ。
CMウォッチャーなら「あれ?」と感じたハズ。彼女、2017年夏にはNTTドコモの「25年前の夏」編に出演していたからだ。高橋一生、黒木華の娘役で、高橋の高校時代を高杉真宙が演じたことでも話題になった。Mr.Childrenの楽曲と共に話題を呼び、広告各賞でも存在感を示していたため、多くの人の記憶に残っていることだろう。
だが清原は、今度は競合のSoftbankのCMに。小泉今日子の昔から、化粧品や飲料のCMで競合メーカーのそれに出演するようになったら、広告界でスターと位置付けられるものだが、清原果耶、16才にして、それをやってのけた。
昨秋からオンエアされている、大塚製薬オロナミンCドリンク「みんなの元気ハツラツ!清原果耶」編もよく見かけるし、「イオンモール」や「日本生命保険」も同時期に増えたクライアント。
2015年、立て続けに出演した「アステラス製薬」と「三井不動産リフォーム」によって“CM美少女”の仲間入りを果たしていた清原だが、私を含む“おばさん”たちが彼女を認知したのは、同年度下期の連続テレビ小説『あさが来た』(NHK)の「ふゆ」役だった。
ヒロインの波瑠や夫役の玉木宏に仕える女中役で、同作では、同じ女中役の友近と山内圭哉、そして清原と三宅弘城の関係が、波瑠へのエールとは別の“応援ポイント”となっていたものだ。
2016年3月からは、『放送90年大河ファンタジー 精霊の守り人』(同)で、主演の綾瀬はるかの少女期を。
そして2018年7月期の「ドラマ10『透明なゆりかご』」(同)主演と、NHKに育てられたといってもいい稀有な若手女優だ。同作での清原は産婦人科の見習い看護師。命の重さや大切さに向き合う清原の名演技に注目が集まったものである。