「家計」に関係する事件を、ベストセラー『細野真宏のつけるだけで「節約力」がアップする家計ノート2019』(小学館刊、定価500円+税)でお馴染みの細野真宏さんが“家計簿探偵”となってスッキリ解決! 今回は「携帯料金4割値下げ」を取り上げる。
■携帯料金4割値下げの正体
昨年に突如として政府から「日本の携帯料金は高すぎる。世界の料金の水準を考えると、4割程度は下げられるべき」といった声があがった。その後、政府で携帯電話の料金の値下げに対して検討する会議などが出来て、日本の携帯電話会社は外堀を埋められる形で対応策を出さざるを得なくなった。携帯電話会社・最大手のNTTドコモが6月までに新料金プランを発表し、他社も追随する見込みか。
家計簿探偵・細野(以下細野):この事件、実に興味深いね。いろんな思惑が重なっているところが面白い。
探偵助手・コロ(以下コロ):え、どういう思惑があるの? そもそも、どうして国が、民間の携帯電話会社の料金について文句を言っているのかな?
細野:そうだよね。国が民間の会社の料金に口を出すのは、かなり異例なことだね。これは、いよいよ今年の10月に迫った「消費税10%時代」に対して、国が国民の生活に少しでもプラスになる要素を作り出すために、国が会社に圧力をかけているような構図なんだよね。
コロ:つまり、国は消費税を上げる代わりに、民間の会社に値下げしろ、と要求しているの? どうしてそれが携帯電話会社なのかな?
細野:これは、家計簿を見れば明らかだけど、携帯電話を中心とした通信費が家計に占める割合がどんどん増えていっているから、なんだよ。
コロ:なるほどね。普通の家庭で大きな負担になってきている携帯料金を安くするんだから、国が消費税を上げても、そんなに家計に影響がないようにしようとしてるの?
細野:基本的には、そういう話なんだよね。だけど、そもそも「日本の携帯料金は世界的に高すぎる」という主張は、必ずしもそうとも言えないからね。
コロ:え、そうなの? 政府があれだけ言い続けているんだから、本当にそうなのかと思っていたけど…。
細野:まず、携帯料金に関しては総務省が担当しているから、総務省で日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、韓国の首都で比較してみた結果、まとめとして、ほとんどの場合において「東京の支払額は、中位の水準となっている」と評価しているんだ。
コロ:え、つまり、世界的に見ると、日本の携帯の料金は平均的、ということなの?