NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』に古今亭志ん生役で出演中のビートたけし。新刊『さみしさの研究』も話題のたけしが、大河の脚本家・宮藤官九郎と20年以上前に結ばれていた縁、NHKらしいドラマ撮影の様子について明かす。
* * *
今回の脚本を書いたクドカン(宮藤官九郎)とは、2回ほど会って喋ったよ。オファーのときもオイラのところに挨拶に来てくれた。なんでも学生の頃からオイラの『オールナイトニッポン』を聞いてたファンだっていうしさ。
会ったときは、ここぞとばかりに言いたい放題ワガママを言わせてもらったよ。NHKは1つのシーンを6台くらいのカメラで何テイクも撮影するんで、拘束時間が長くて参っちゃうんだよ。だから、「オイラのシーンは一発OKでよろしく」って伝えといたよ。まァ、脚本家に注文つけても意味ないんだけどね(笑い)。
実はアイツは若い頃に、オイラの映画『キッズ・リターン』に俳優として出ててさ。もう20年以上前のことだけど、縁があるよな。まァ、その映画じゃ主人公にカツアゲされる高校生ってチョイ役だったんで、あんまり覚えてないんだけどさ。大河ドラマの脚本を書くまでになったんだから大出世だよな。
クドカンには、落語にいくつかある、「足の速い与太郎」が出てくる小咄を教えてやったよ。何しろドラマが「いだてん」だからね。
小さな町で泥棒を追いかける足の速い与太郎って男が、勢い余って泥棒を何度も追い抜いちまうって噺とかさ。もしかしたら、ドラマの脚本にも影響してるかもしれないぜ。