正月気分真っ只中の1月3日、熊本地方を襲った最大震度6弱の地震は、我々がいつ何時も安心できない地震列島に住んでいることを改めて思い起こさせた。
「今回の揺れは、さらなる大地震の引き金になる可能性がある」──そう語るのは、測量学の世界的権威であり、「MEGA地震予測」を主宰する村井俊治・東大名誉教授だ。
「2018年10月中旬以降、日本列島は極めて異例な状況となっていました。各地で異常変動が見られたそれまでと一転し、2か月弱の間、全国的に地表に大きな変動が見られない『静穏』状態が続いていたのです。
過去のデータを見ると、震度5以上の大地震は4センチ以上の異常変動が一斉に起きた後、3週間超の『静穏』状態を経て起きる傾向が強い。今回の熊本の地震もこの条件を満たしています。今後、同様の動きが各地で起こる可能性は否定できません」(村井氏)
同予測のベースとなるのは、全国1300か所に設置された国土地理院の「電子基準点」のGPSデータだ。その微細な動きをキャッチし、地震発生との関連を分析する。1週間ごとの基準点の上下動による「異常変動」、地表の長期的な「隆起・沈降」、地表が東西南北のどの方向に動いているかを示す「水平方向の動き」の3つを主な指標とし、総合的に予測する。
1月3日に地震が発生した熊本や、1月8日に震度4を観測した奄美大島も、1月2日発行のメールマガジン「週刊MEGA地震予測」で警戒を呼びかけた直後に起こった。
今回は新たに、5つの警戒ゾーンを「危険度」の順番にランキング化した。その結果をマップに起こした。