テレビ離れが進むなかで、業界で注目を集める放送枠がある。それは「日曜20時」だ。この枠に放送されている3番組が高い視聴率を記録しているのだ。各局ともつかんだ視聴者を放さないために毎週放送するのかと思いきや、そうでもないようで…。テレビ局サイドのさまざまな事情についてコラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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先週1月6日の同じ時間帯に放送された『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)が視聴率16.0%、『ポツンと一軒家』(テレビ朝日系)が同15.4%、『いだてん~東京オリムピック噺~』が同15.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、そろって15%を超えました。
録画機器やネット視聴が普及してリアルタイムでテレビ番組を見る人が減り、「視聴率は2桁で成功」と言われる中、同時間帯の3番組が15%を超えるのはひさびさの快挙。それだけ多くの人々が日曜の夜にリアルタイムでテレビ番組を見ていたことになり、3番組合計46.9%は昨年大みそかに放送された『第69回NHK紅白歌合戦』の41.5%を大きく上回ります。
『イッテQ』『ポツンと』『いだてん』が、『紅白歌合戦』のような「年に一度の生放送番組」ではなく「通年放送の収録番組」であること、「1つの番組が盛り上がるより、同じ時間帯に人気番組がひしめき合うほうが影響力は大きい」ことを踏まえると、テレビ業界にとって大きなことと言えます。
しかし、翌週の13日に放送されるのは『いだてん』のみで『イッテQ』『ポツンと』の放送はありません。通常21時から放送されている『行列のできる法律相談所SP』(日本テレビ系)と、2時間ドラマの『おかしな刑事SP』(テレビ朝日系)を前倒し放送するようです。
「なぜ1月早々に人気番組を休むの?」という疑問。引いては「せっかく盛り上がっているのに勢いをそぐような番組編成はもったいない」と感じる人も多いではないでしょうか。そこに各局の事情やジレンマが見え隠れしているのです。
◆騒動からのイメージ回復が必要な『イッテQ』