「あんな治療を受けなければ」「違う医者にかかっていたら」──病気になると人はさまざまな選択を強いられ、その後で後悔することもある。冷静な判断を下すにはどうしたらいいか。
例えば、頭痛は様々な原因に由来するケースが多く、どの科を受診すべきかの判断が難しい。内科医で秋津医院院長の秋津壽男氏は、「内科が正解」と指摘する。
「脳腫瘍や脳出血などから生じ、結果的に外科的処置が必要となる頭痛でも、内科を受診すれば家族の既往歴などの問診や、MRIなどの画像診断により、その重篤度を総合的に診断できます。問題があればその後、脳外科などに紹介してもらえるので、最初の受診は内科が適しているでしょう」
一方、くどうちあき脳神経外科クリニック院長の工藤千秋医師は「外科」を推す。
「MRIで精密検査ができるだけでなく、内科と違って手術まで可能なので、早期の対応が必要なケースでは最適です」
両者に共通するのは精密検査の重要性だ。医療経済ジャーナリストの室井一辰氏は言う。
「頭痛が重いときは、くも膜下出血や脳梗塞など命にかかわる病につながるケースがある。そのため、内科・外科を問わずMRIなど精密検査のできる機器を備えた病院にかかることが大事です」