情報番組の辛口コメンテーターとして活躍していたコラムニストの勝谷誠彦さん(享年57)の訃報が報じられたのは昨年11月28日。死因は、急性肝不全だった。
しかし、「死の魔の手は3年以上前から忍び寄っていた」と言うのは、勝谷さんの20年来の盟友で出版社『世論社』の代表・高橋茂さん。高橋さんは、勝谷さんの死後、彼がアルコール依存症に陥っていたことをウェブメディア『JBpress』に寄稿している。
「勝谷が命を絶たれた原因は、長年の飲酒によるものです。2015年3月に情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)を降板。編成の切り替え時期でもあり、1か月ほど仕事がまったくない状態になりました。その頃うつを発症。次第に酒量が増え始め、昼間から飲むようになりました」(高橋さん・以下同)
勝谷さんは真面目でストイックな人だった。文筆業で締め切りを一度も破ったこともなければ、取材やテレビ出演で約束の時間に遅れたことなどもない。
しかし、心のどこかで孤独を抱えていたようで、電話で高橋さんを呼び出し、不安を訴えることも多かったという。
「彼は離婚をしているのですが、その時、『おれさぁ、離婚した時も多分、うつだったと思う。なんだか全部、嫌になっちゃって』と話していました。そのうえ、ぼくが知り合う前にアルコール依存症が原因で母親を亡くしている。彼は母親が大好きだったので、その時も相当なショックを受けたのでしょう。さらに、心の拠り所だった父親も2015年2月に病気で倒れ、1年ほど意識が戻らないまま帰らぬ人に。そのあたりから余計に酒に走るようになったのです」
冗談か本当かは不明だが、勝谷さんはよく、周囲に『おれは中学生の頃から飲んでいたよ』と話していたという。
「40年以上、まったく休肝日なしで飲んでいたのも、彼にとっては自慢でした。でも、仕事がある時は、『この後、原稿書かなきゃいけないから、酒飲むのやめとく』と言って、プロだなあと感心していたのですが…」
◆肝臓は5倍以上に膨れ上がり、腎臓が機能しない状態に
仕事の変化、親の病気、自身のうつも重なり、勝谷さんは昼間から酒を飲むようになっていく。