「これもまた自然なことです。でも高齢になったら性行為にこだわるより、触れ合うことこそが大事なのです。抱き合う、性器に触れ合う、あるいは手をつなぐだけでもいい。肌を触れ合うことで“愛情ホルモン”とも呼ばれるオキシトシンが出て、気持ちがやさしく穏やかになり、幸せに満たされます」
ある高齢者施設での事例を教えてくれた。
「高齢者の恋愛は、施設によっては肯定されないこともありますが、その施設は“死を意識した高齢者にとって、誰かを好きになり触れ合うことが、今この瞬間の生き甲斐になる”という考え方。入所者同士、本当に好きになって家族の了承が得られれば、夫婦部屋に入ることができます。
この夫婦部屋で暮らしていた70代と80代のカップルが、本当に幸せそうだったのです。そしてほかの入所者も“私たちだって恋したいわよ!”と、意欲満々(笑い)。彼らを見ていて、人は、素敵だと思える人、自分を思ってくれる人が1人いれば、それだけで人生が楽しくなるのだと、理屈抜きに感じました。やはりいくつになっても恋する心は大切なのです」
※女性セブン2019年1月31日号