甲子園制覇7度を誇るPL学園の硬式野球部が活動を停止してから2年半──。再開を目指すOB会は年明け恒例の総会(1月12日)で、新会長に桑田真澄氏が就任したことを報告した。
「あれほど実績があるのに廃部になったのは、OBにも責任がある。暴力事件や厳しすぎる上下関係がありましたから。(会長として)再開できるのかどうか、方向性を白黒はっきりさせていきたい」(桑田氏)
清原和博氏と共に甲子園に1年夏から5季連続出場し、在学中に聖地に20勝を刻んだ大投手の会長就任は、いわば野球部復活に向けた切り札、最終手段である。
桑田氏が抜擢されたのは、知名度や実績だけの理由ではない。カギは「教団」だ。
活動休止後、OB会は学校長と話し合いの場を設け、復活に向けた嘆願書も提出してきた。しかし、現校長の正井啓介氏は昨夏、筆者に対し、「再開はありません」と断言し、決定権を持つ学園の母体・パーフェクトリバティー教団の三代教祖・御木貴日止(みきたかひと)氏や幹部らにも、嘆願書を渡していないことを明かしていた。OB会と教団には大きな隔たりが存在した。そこで、桑田氏の登場なのである。桑田氏はいう。
「教団あっての野球部。教団とのコミュニケーションが大事だと思います。なんとか、教団の方とお話しできるように……。それが復活に向けた第一歩になる」