QR決済アプリ「PayPay」が12月4日から総額100億円の還元キャンペーンを始めたところ、期限は3月末までだったが、参加者殺到のためわずか10日間で終了した。そして1月、実業家の前澤友作氏が、お年玉100万円を100人にあげるとTwitterで発信すると、再びネットは大いに盛り上がった。ネット上では、カネやモノへ露骨に群がる態度は「乞食」「クレクレ」と呼ばれ馬鹿にされるが、こういった盛り上がるイベントは定期的に起きる。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、彼らの行動パターンとその影響について考えた。
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株式会社ZOZOの前澤友作社長による「このツイートをRT(リツイート=引用)した人100人に100万円あげる」というツイッター企画が大いに盛り上がったが、この時にネットに頻出した言葉が「乞食」である。元々ネットではカネに対して強欲であることについては根強い反発はある。この世紀の「祭」を引いた目で見た人々は、100万円欲しさからRTをし、その100万円で何をしたいかを前澤氏に滔々と訴える人々を「乞食」扱いしたのだ。
この「乞食」という言葉だが、差別用語として実生活ではほぼ使われない言葉であろうが、ネットでは案外目にする。その一つが「乞食速報」である。何らかのお得なセール情報があった場合などに、5ちゃんねる(元2ちゃんねる)等で共有するのだ。この言葉を冠したツイッターのIDもあるが、「乞食」を謳いつつもお得な情報が満載なので節約家はフォローするのも手である。
また、「○○が当たる!」などの抽選関連情報をまとめたサイトもあるため、若干躊躇するかもしれないが「乞食速報」と検索窓に入れてみると案外有益な情報にぶち当たるかもしれない。
消費者にとっては良い面もあるものの、しかしながら企業の側は注意が必要である。価格の誤表記をしてしまった場合、こうした「乞食速報」やSNSを通じて一気に情報が拡散し、訂正や謝罪に追われることになる。購入者の中には、「売買は成立しているんですけど」などと猛烈なクレームをつけてくる者もいることだろう。その場合は、売買契約を成立させないまでもお詫びとしてポイントを付与したり、商品券などを送るなどの対応を取らざるを得なくなるかもしれない。