《19日、武道館にジュリーを見にきませんか。無料招待です。当日絶対行ける人だけ来てください》。ジュリーファンの本誌・女性セブン記者にこんなLINEが届いたのは、1月19日から始まった沢田研二(70才)の日本武道館3デイズコンサートの数日前。
ジュリーといえば昨年10月、さいたまスーパーアリーナでのコンサートを当日ドタキャンする騒動を起こしたばかり。原因は座席が7割程度しか埋まらなかったことだ。
「もしかして武道館の客席が埋まっていないの?」──そんな疑問を抱きながらも、公演初日の19日、すでにチケットを購入していた記者は武道館へと足を運んだ。
開演の1時間ほど前に到着すると、周囲は60代以上の男女で大混雑。特に入口近くに設置されたプレハブ小屋に長蛇の列ができている。様子を見ていると、並んでいた人たちは自分の順番がくると受付の係員にスマホの画面を見せ、係員が確認するとチケットを受け取っていく。しかし、代金を払っている様子はない。しかも周囲を見回してみると、受け取ったチケットをグループに分配する人の姿があった。
ふと隣を見ると、60代と思しき男女がその場を通ったアラフォー女性に声をかけている。3人で談笑すると、男性がその女性に「こんなに余ってるから、あげるよ。とりあえず1枚でいい?」とチケットを渡していた! 今日の公演のチケット代は8000円。しっかり購入して会場に乗り込んだ記者としてはなんとも複雑な気分だ。チケットには「御招待」のスタンプが押されていたが、その後もあちこちで同じようにスタンプが押されたチケットを持つ人が見られ、100枚以上を束で持つ人も見かけた。
まさか、無料招待券をばらまき、“サクラ”を動員しているの…? いずれにせよ、その日、会場はステージ後ろの2階席まで観客でぎっしり。
開演すると、ジュリーは客席を見渡して「あんなことがあったのに、こんなにたくさん来ていただいて…」と感慨深げにコメント。ギター伴奏だけのシンプルな演出ながら、終演までの約2時間、観客を魅了し続けた。
武道館最終日の朝、自宅を出るジュリーを直撃した。チケットが無料で配られていたことを知っていたのか、などの質問をぶつけたが、憮然とした表情で何も答えずタクシーに乗りこんだ。コンサートを主催した運営会社にも聞いたが、「取材には答えられない」と言うのみだった。
あるジュリーファンが心境をこう明かす。
「ファンの間でも今回は“サクラで満席”なんて言う人もいるけど、タダでもファンじゃないと行かないよ。無料の招待LINEはコンサート前日と急だった。そんななかジュリーのために駆けつける人がたくさんいるっていうのがすごい。やっぱりスターですよ!」
記者としても納得のコンサートではあったが…。
武道館最終日を終えると、ジュリーはスタッフを連れ都内の高級寿司店へ。成功の余韻に浸ったようだ。
※女性セブン2019年2月7日号