国内

脱法スカウトの闇 現役大学生が女性を食い物にするシステム

知人だからスカウトではないと脱法的な言い訳をする学生たち

 暴力団対策法や条例によって暴力団によるトラブルは激減したが、代わりに半グレと呼ばれる別カテゴリのグループがのさばるようになった。繁華街で問題となっていた「スカウト」も、条例によって厳しく取り締まられるようになったが、代わりに“プロ”学生がスカウトビジネスを実行している。ライターの森鷹久氏が、暴力団員でも半グレでもなく、いわゆるプロのスカウトでもない学生による、ビジネスの実態をレポートする。

 * * *
 関西地方に住む複数の大学生が、女子大生に借金を背負わせ、風俗店などにあっせんしていたとして職業安定法違反(有害業務紹介)の疑いで逮捕された。報道によれば学生らは京都市内の大学に通う約20名のメンバーで構成され、路上で女子大生に声をかけては、関係者が経営する高級会員制バーなどに連れてゆき、高額な料金を請求。支払いが出来ない女子大生に対し、風俗店で働いて金を捻出するよう促していた。

 さらにグループは、提携していた関西地方の複数の風俗店から、女子大生の紹介リベートとして、女性の給与の15パーセント程度を受け取っていた。逮捕容疑に関わるだけでも、紹介料などで約7300万円を得ていたという。プロの反社勢力も驚く「違法スカウトシステム」の仕組みを、学生らが作り上げていたことになる。

「関西の事件はあまりにひどいというかあからさまですが、関東でも同じような事例はありますね」

 最近何かと「悪い」話題の尽きない、都内の私大イベントサークルOBは、女子大生を狙った卑劣な連中の存在を指摘する。

「日大のサークルの件でも話題になりましたが、イベントへの集客が悪いなどと言って女子大生に、借金を作らせます。ノルマ10人分、計二万円など最初は軽微な負担を強いらせるのです。二万円であれば、キャバクラで二日働けば楽に返せるから、知り合いのキャバクラを紹介する、そういってあっせんするのです」

 実際に、このようなきっかけで水商売の世界に足を踏み入れる女子学生が後を絶たない。もちろん、このような経験をした女子学生の多くは、サークルに不信感を募らせ辞めていくのだが、一部の女子学生はそのままズルズルと闇に引き込まれていく。

「キャバクラには、サークル幹部の関係者が男女問わずいて、もっとたくさん稼ごうとか、ホストにいって遊ぼうとターゲットに吹き込むわけです。関西の学生たちがやっていたのと同じで、最終的にはターゲットを風俗に落とし、風俗店からのバックを得るのが目標です。ターゲットが風俗で稼いだ金をサークルに納める一方、風俗で働いた金の一部も自動的にサークル幹部に流れるという二重にオイシイ仕組み。こうした手法を知った男子学生が、これを“ビジネス”だなんだと吹きまわり、学業そっちのけで取り組んでいます」

関連記事

トピックス

フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《離婚後も“石橋姓”名乗る鈴木保奈美の沈黙》セクハラ騒動の石橋貴明と“スープも冷めない距離”で生活する元夫婦の関係「何とかなるさっていう人でいたい」
NEWSポストセブン
原監督も心配する中居正広(写真は2021年)
「落ち着くことはないでしょ」中居正広氏の実兄が現在の心境を吐露「全く連絡取っていない」「そっとしておくのも優しさ」
NEWSポストセブン
休養を発表した中居正広
【独自】「ありえないよ…」中居正広氏の実兄が激白した“性暴力認定”への思い「母親が電話しても連絡が返ってこない」
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
〈山口組分裂抗争終結〉「体調が悪かろうが這ってでも来い」直参組長への“異例の招集状” 司忍組長を悩ます「七代目体制」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(時事通信フォト)
「うなぎパイ渡せた!」悠仁さまに筑波大の学生らが“地元銘菓を渡すブーム”…実際に手渡された食品はどうなる
NEWSポストセブン
新年度も順調に仕事を増やし続けている森香澄
《各方面から引っ張りだこ》森香澄、“あざとかわいい”だけじゃない「実はすごいアナウンス力」、「SNSの使い方はピカイチ」
NEWSポストセブン
4月7日、天皇皇后両陛下は硫黄島へと出発された(撮影/JMPA)
雅子さま、大阪・沖縄・広島・長崎・モンゴルへのご公務で多忙な日々が続く 重大な懸念事項は、硫黄島訪問の強行日程の影響
女性セブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(左/時事通信フォト)
広末涼子の父親「話すことはありません…」 ふるさと・高知の地元住民からも落胆の声「朝ドラ『あんぱん』に水を差された」
NEWSポストセブン
SNSで出回る“セルフレジに硬貨を大量投入”動画(写真/イメージマート)
《コンビニ・イオン・スシローなどで撮影》セルフレジに“硬貨を大量投入”動画がSNSで出回る 悪ふざけなら「偽計業務妨害罪に該当する可能性がある」と弁護士が指摘 
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、入学式で隣にいた新入生は筑附の同級生 少なくとも2人のクラスメートが筑波大学に進学、信頼できるご学友とともに充実した大学生活へ
女性セブン
都内にある広末涼子容疑者の自宅に、静岡県警の家宅捜査が入った
《ガサ入れでミカン箱大の押収品》広末涼子の同乗マネが重傷で捜索令状は「危険運転致傷」容疑…「懲役12年以下」の重い罰則も 広末は事故前に“多くの処方薬を服用”と発信
NEWSポストセブン
人気のお花見スポット・代々木公園で花見客を困らせる出来事が…(左/時事通信フォト)
《代々木公園花見“トイレ男女比問題”》「男性だけずるい」「40分近くも待たされました…」と女性客から怒りの声 運営事務所は「男性は立小便をされてしまう等の課題」
NEWSポストセブン