「ちょっと熱っぽい」「鼻がつまってきた」……。風邪や花粉症が流行する季節に、病院にかかるほどの重症ではなかったり、診察を受けに行く時間がない場合に頼りになるのが、街のドラッグストアで買える市販薬だ。
しかし、素人が自分の判断で飲めるからこそ、そこには危険が潜んでいる──。市販薬の服用に警鐘を鳴らすのは、『その「1錠」が脳をダメにする』の著者で薬剤師の宇多川久美子氏だ。
「常備薬を持ち歩くこと自体はいいのですが、継続的に週に4錠以上飲むというのは依存症の恐れがあります。薬を飲み続けると耐性ができて効き目が落ちていく。そこで効かない分、薬を飲む量を増やしてしまう悪循環に陥り、自覚のないまま依存を深めていく人が多い」
ドラッグストアが増えコンビニで深夜でも買えるようになった市販薬で依存症になるケースが増えているという。
では、市販薬依存症を防ぐためには、服用する際にどう気を付けるべきなのか。前出・宇多川氏はこう解説する。
「たとえば風邪薬は1箱に3日~4日分しか入っていないことがほとんどです。その期間で治らなければ、病院に行って検査をしてください。市販薬はあくまで急場をしのぐもの。風邪薬、咳止め薬などは4日間を目安にとどめるべきです。常用することは市販薬の役割を超えることになります」