「がん予防」を謳った食材や料理の話は、メディアによく登場する。その一方で、あまり語られることはないが「がんになりやすい食事」も存在するという。実は今、世界各国でがん発症と食事の関係について研究が進んでいるのである。
◆醤油、ソースと食道がん
醤油やソースなどで着色料として使用される「4―メチルイミダゾール」は、米保健福祉省がマウスに対して行なった実験で食道がんや肺がん、白血病の発症が認められている。
「ただし、人間への悪影響は報告されておらず、日本では食品添加物としての使用が認められています」(医師で医療ジャーナリストの富家孝氏)
◆から揚げと前立腺がん
から揚げなど、高温の油で揚げる調理法との関連を調査した研究もある。元ハーバード大学研究員で、米・ボストン在住の内科医・大西睦子氏が解説する。
「揚げ時間の長さや温度の上昇とともに生成される、終末糖化産物(AGE)は、前立腺がん発症の原因となる慢性炎症を増やします。例えば20分間揚げた鶏の胸肉は、1時間ゆでた胸肉に比べてAGEが9倍以上も含まれます」
米フレッドハッチンソンがん研究センターがシアトル在住の人について調べたところ、週に1度以上フライドチキンを食べた男性は、月に1回未満の男性より前立腺がんのリスクが30%上昇した。