2019年になってから、火曜日になり『テラスハウス OPENING NEW DOORS』(Netflix)が更新されるたび、ネット上では悲鳴のような感想が広がっている。女子メンバー3人の関係が険悪で、たとえカップルが成立してもメンバーが祝福する雰囲気が感じられないからだ。ところが、心理戦によって生殺与奪の瞬間が何度もやってくるスリルとサスペンスに満ちた展開から、視聴者は目が離せなくなっている。イラストレーターでコラムニストのヨシムラヒロム氏が、テラハ内の人間関係によってトリンドル玲奈が山里亮太に感化されてしまったことについて考えた。
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“見ず知らずの男女6人が共同生活する様子をただただ記録したものです”
『テラスハウス』の前口上である。これだけを聞けば「なにが面白いの?」と思う方が大半だろう、かつて僕もそうだったので気持ちはよーく分かる。そんな『テラスハウス』、過去に放送されていたフジテレビを飛び出し、今ではNetflixで全世界に配信中。評判もすこぶる高く、米TIME誌の記者が選出した「2018年のベスト番組10」で6位にランクインしたとか。
現在『テラスハウス』は軽井沢編がクライマックス。番組内の時計では、2018年のクリスマスに共同生活解消とのこと。平成最後の聖夜に終わるというロマンティックな舞台設定とは裏腹に、軽井沢の豪邸を覆うのが淀んだ空気。史上最悪とも例えられる人間関係が繰り広げられている。
そんな血で血を洗うVTRにコメントしているのが、スタジオキャストの6名。YOU、トリンドル玲奈、徳井義実、山里亮太、馬場園梓と葉山奨之。恋愛模様を微笑ましく見守るキャストを横目に、山里は一人気を吐く。それでも言い足りないとYouTubeの『山チャンネル』で更にくさす。各話が更新されるたびにツッコミを入れている。山里対他5人といった構図が長く続いてたスタジオ。しかし、『テラスハウス』内の暗い人間関係によってか。最近はトリンドル玲奈が徐々に山里化。出演者の行動の裏を読む、鋭いコメントをするようになってきた。
話は少し逸れるが『テラスハウス』は、VTRに随時コメントするスタジオキャストの音声が聞こえる副音声で観ることをオススメしたい。
現在『テラスハウス』にいる女性メンバーは優衣(処女の大学生)、まや(専門学生)、利沙子(モデル)の3名。各人が他2名を「いけ好かない」と考えており、気を許せる関係ではない。しかし、場合によっては共闘もアリ。男子メンバーも3人いるが、このコラムで登場するのは元プロサッカー選手の愛大(あいお)オンリー。彼は女性3人の険悪な人間関係の狂言回しである。
『テラスハウス』史上最悪の殺伐さは、女子部屋で優衣が放った「まやちゃん話そう」から生まれた。そこで開講されたのが優衣と利沙子プレゼンツ、まやへの生活指導。機嫌によって態度が変わること、家事を手伝わないこと、そして優衣を「ババア」と呼ぶことへの是正が求められた。19歳の反抗期まやは、「2人の世界観 マジ強いのね」と反論。ここにて第一次『テラスハウス』戦争が開戦、優衣と利沙子VSまやという構図が生まれた。
その後、撮影の仕事で利沙子が一週間出張。鬼の居ぬ間を見計らい優衣は、まやに利沙子の二面性を密告。ここで2人は結託し、女性陣の構図が優衣とまやVS利沙子へと変わる。
このときスタジオでは「トラブルが起きるところに優衣がいる」と山里。当初は「こんなピュアな子はいない」と言っていた優衣を「人を殺したあとクラシックをかけながら飯食ってそう」とレクター博士に例えた。しかし、トリンドル玲奈は「そんなことないですよ~、素直に言っているだけだと思います!」と対極の意見を述べる。