鍋料理などで野菜をたくさん使う冬は、冷凍保存を活用して賢く使い切りたいもの。そこで鮮度も味も保つために大切な冷凍前の下処理3パターン紹介する。
冬の食卓に欠かせない白菜や春菊、大根など、水分の多い野菜は基本的には冷凍に向かないが、正しく処理をすれば冷凍が可能。解凍せずにそのまま調理できるなど、使い勝手がよくなる。女子栄養大学大学短期大学部の食物栄養学科准教授の豊満美峰子さんはこう解説する。
「鮮度が第一の野菜は、そのまま冷凍すると味や食感が落ちてしまいます。なぜなら、野菜が含む水分が凍って組織を壊してしまうとともに、解凍時に水分が流れ出て水っぽくなってしまうからです。鮮度を保って冷凍するためには、冷凍前の下処理が大切なのです」(豊満さん・以下同)
そして、野菜の水分量によって、ふさわしい冷凍方法が異なると豊満さん。
「主な野菜の冷凍保存法には、【1】ゆでる、【2】塩もみする、【3】生のまま、の3つの冷凍法があります。野菜が含む水分が多ければ多いほどしっかりと水分を抜く下処理をする必要があります。保存期間は、基本的に1か月以内を目安に使い切るのがベストです」
調理する際は、自然解凍すると旨みや栄養が流れ出てしまうため、凍ったまま炒めたり煮たりするのがおすすめ。サラダなどで食べたい場合も、さっと炒めたり焼いたりして使用すれば、冷凍臭が気にならずおいしく食べられる。
■ゆでて冷凍する(春菊、ほうれん草、にら、ブロッコリーなど)
【1】固ゆでをする
葉もの野菜は解凍する際にやわらかくなるため、通常よりも固めにゆでる。たっぷりの水を沸騰させ、水1リットルに対して小さじ1を目安に塩を加えて野菜を入れ、30秒ほど経ったら鍋から引き上げる。
【2】水にさらす
ゆでたままにしておくと余熱で煮えてしまうため、鍋から引き上げたらすぐ、ボウルに用意した水に浸して粗熱を取る。さらすことでアクも抜ける。
【3】水気を切る
長く水につけすぎると栄養素が流れ出てしまうため、早めに引き上げて水気をギュッと絞る。
【4】適当な大きさに切る
料理に使いやすい大きさに切ってから、まとめてラップに包んで冷凍庫へ。茎と葉は一緒に冷凍しておいても問題なし。